【もう辞めたい…】1年目の歯科衛生士によくある悩みと解決策

毎日怒られてばかりで辛い…

なかなか上達しないし、私って歯科衛生士向いてないかも

迷惑ばっかりかけて、私がこの医院にいる意味ってあるのかな

こんなことで悩んでいませんか?

歯科衛生士になるために学校でみっちり勉強してきたはずなのに、いざ働いてみると思い通りにいかないことも多くて落ち込んでしまいますよね。

歯科衛生士として20年間クリニックで働いてきた私も、今までで1番辛かったのは1年目のときです。

なので大変さは痛いほどわかります。

この記事では、

  • 1年目の歯科衛生士の悩みと対処法
  • 1年目で辞めた場合の今後への影響
  • 1年目で辞める判断基準

について詳しく解説していきます。

目次

つらくて耐えられないのなら1年目で辞めてもいい

つらくて耐えられないのなら1年目で辞めてもいい

日本歯科衛生士会の歯科衛生士の実務実態調査報告書」(令和2年度)によると、転職経験のない歯科衛生士は22.2%となっています。
つまり、8割近くの歯科衛生士が転職を経験しているということです。

歯科衛生士が仕事を辞めるのは珍しいことではありません。
人手不足の問題で求人が多いこともあり、辞めたあとも新たなスタートをきりやすい職業といえます。

1度辞めたからといって、その後歯科衛生士を続けるうえで大きなマイナスにはなりません。

今あなたがハラスメントや心身の不調で悩んでいるのなら、自分自身を守るためにできる限り早く辞めることをおすすめします。

それ以外の理由で「辞めるか迷っている」「もう少し頑張れるかも」という状態なら最低でも1年、できれば3年は頑張ってみてほしいです。
1年目の歯科衛生士の悩みは、仕事ができるようになったり、働くという環境に慣れることで解決する可能性があるからです。

3年続けると歯科衛生士としての基本的なスキルがあると判断され、転職で有利!

1年目の歯科衛生士が「辞めたい」と悩む理由と解決策

1年目が悩む理由と解決策

下記は、1年目の歯科衛生士によくある悩みです。

  • 人間関係の悩み
  • 歯科衛生士が向いてないと感じる
  • 労働条件に不満がある

解決策とともに詳しく説明します。

人間関係の悩み

日本歯科衛生士会の歯科衛生士の実務実態調査報告書」(令和2年度)によると、常勤歯科衛生士が辞める理由の第1位は「院長との人間関係」です。

歯科医院の多くは5人程度の小さなチームで働くため、嫌な人がいてもその狭い空間から離れることができません。
院長が苦手でもアシスタントにつかないわけにもいかず、ずっと見張られているような緊張感やストレスを感じてしまうこともあります。

患者さんの前で怒鳴る、器具やカルテを投げつける、人格を否定するようなことを言い放つ。このようなパワハラ・モラハラ院長がいまだにいるのも事実です。

また、1年目だと先輩とうまくいかないと悩む人や、うまく輪に入れず孤立してしまうという悩みもよく耳にします。

【解決策】

院長を含め、スタッフ全員と気が合う職場はまれです。
今は大変ですが、苦手な人ともうまく付き合える力を身につけると、今後の社会人生活で苦労することがグンと減ります。
苦手なのが院長ではなくスタッフなら、人の入れ替わりや対応の仕方で変わることもよくあります。

まずは次のことを実践してみてください。

  • 「目を見て笑顔で挨拶」を徹底する
  • 注意をされてもすぐに言い返さず「反省してます」という表情をする
  • 理不尽に怒りをぶつけられたら心を無にして受け流す
  • ひとりで悩まず周りに相談する

暴力的な言動など、明らかなパワハラや陰湿なイジメに悩んでいるのなら、その職場から離れるのが一番の解決策です。
そのままそこにいても歯科衛生士としてやりがいをもって働くことはできません。
耐え続けた結果、心身に悪影響をおよぼすこともあります。

歯科衛生士に向いてないと感じる

1年目では、以下のようなことで何度も注意を受けるので、自分は全然ダメだと落ち込んでしまう人もいます。

  • 仕事に時間がかかりすぎる
  • ミスが続く
  • 患者さんとうまくコミュニケーションがとれない

【解決策】

技術がまだ未熟なために向いてないと感じるのなら、回数を重ねるごとに必ず上達するので心配はいりません。
どうしてうまくいかなかったのか、うまくいったときはどんなやり方をしたのかをメモしたり、先輩にコツを聞いてみましょう。

歯科衛生士が一通りの技術を身につけるのには、3年くらいかかるのが一般的です。
3年やってみて、向いてるか判断しても遅くはありません。

歯科医院は職場により方針や雰囲気が異なります。
向いていないと感じるのは、歯科衛生士の仕事なのか、その職場なのかを考えてみることも大切です。

患者さんとコミュニケーションがうまくとれないのは、知識不足が原因のこともあります。
「何か話題をふらなきゃ」「患者さんと仲良くならなきゃ」なんて考える必要はありません。
歯科衛生士がすることは、治療の内容や今の状態、今後の方針などをわかりやすく伝えることです。

患者さんとうまく話せない…と悩んだら、
相手の不安や悩みに寄り添いながら話を聴くこと
解決方法を提案できるだけの知識を身につけること
この2つに重点をおいてみてください。

労働条件に不満がある

下記は、個人経営の歯科医院で働く歯科衛生士によくある不満です。

  • 残業が多い
  • 残業代がでない
  • 有休がとれない
  • 社会保険に加入できない

休みやお金のことは面接時に聞きづらく、認識があいまいなまま入職してしまった人もいるのではないでしょうか。

【解決策】

その職場で長く働いている先輩がいれば同じように不満を抱えていたり、すでに院長に抗議や提案をしている可能性もありますので、先輩に相談してみましょう。

残業代は1日の法定労働時間(休憩時間は除外)の8時間を超えた時に通常の賃金×1.25の割増賃金で支払われます
タイムカードを見直し、支払われていない額があるか確認してみてください。

スタッフの意見に耳を貸さないワンマン院長には、今後も不満がつのることは明らかです。
残業代の未払いや有休の拒否は違法ですが、自分の医院だから好きなように経営して当然と考える院長もいます。
そんな院長とはやり合って疲弊するよりも、職場を変える方がダメージは少ないです。

社会保険の加入義務があるのは、医療法人の歯科医院か、従業員常時5名以上の医院のみです。
国保や歯科医師国保では出産手当金は出ないですし、厚生年金にも加入できないので、もらえる年金は少なくなります。
お金について将来的な安定を求めるなら、社会保険完備の医院への転職も視野に入れましょう。

1年目の歯科衛生士が辞めることのデメリット

1年目で辞めることにはデメリットもあります。

以下の内容も参考に、少し立ち止まって考えてみてください。

  • 転職の際に短期離職を理由に不採用になることがある
  • 職歴にずっと残る
  • 辞めぐせがつくことある
  • 歯科衛生士としての技術が中途半端
  • 失業手当がもらえない

詳しく説明していきます。

転職の際に短期離職を理由に不採用になることがある

短期離職をした人は、採用担当者から「採用してもまたすぐ辞めてしまうのでは?」「何か問題のある人なのでは?」と思われがちです。
人手不足が深刻な医院では関係なく採用されますが、応募者が多い人気のある医院では、他の人と比較され不採用になってしまうこともあります。

面接ではほぼ確実に退職理由を聞かれるので、答えられるように準備をしておきましょう。

新卒での短期離職であれば「教えていただける環境がなかった」というのは納得されやすい退職理由のひとつです。

職歴にずっと残る

たとえ1年以内に辞めた医院だとしても、履歴書に記載しなくてはいけません。
歯科の世界は院長同士や歯科衛生士同士の繋がりが深く、ごまかしてもバレてしまうことが多いです。

歯科衛生士は転職経験のある人が8割近くもいる職業ですので、最初の一度きりの短期離職で、その後の歯科衛生士人生において大きく不利になることはありません。
しかし何度も転職を繰り返してしまった場合には、職歴の傷として刻まれてしまいます。

辞めぐせがつくことがある

全国歯科衛生士教育協議会が令和4年度にまとめた歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告によると、新卒歯科衛生士の求人倍率は新卒で23.3倍です。
これは、1人の歯科衛生士を23件の医院が取り合っている状況を意味します。

そのため、短期離職の経験のある人は、気に入らなかったら次を探せばいいと考える人が多い傾向にあります。
歯科衛生士でも転職を繰り返すと、条件の良い職場で採用されにくくなり、負のループにおちいってしまいかねません。

歯科衛生士としての技術が中途半端

1年未満では、まだ歯科衛生士としての技術が十分に備わっていません。
転職の際にはアピールポイントが少ないままの転職活動になってしまいます。

歯科衛生士としてひと通りの技術を身に付けたあとのほうが、やりたい分野も見えてきますし、自分に合った良い職場を選びやすいです。
その結果、働きやすい職場で長く働くことができます。

ただし、院長のスキル不足により、良い治療が学べないという環境で長く働いても、無駄な時間を過ごすことになるので正しい見極めが必要です。

他院で働く衛生士仲間や、歯科業界をよく知る転職エージェントに相談することで、自分の職場を客観的に見ることができます。

失業手当がもらえない

自己都合による退職の場合、12ヶ月以上働いていないと失業手当は給付されません
退職後、ゆっくり次の職場を探したい場合は、収入がなくなることにより経済的な不安が伴います。

1年目の歯科衛生士が退職するときの注意点

1年目で辞めるときの注意点

退職を決めた場合には、以下のことに注意してください。

  • 辞められるのは2週間後から
  • 引き留めにあう可能性が高い
  • 辞めたい理由を明確にしておく必要がある
  • 良い転職先がすぐに見つかるとは限らない

詳しく解説します。

辞められるのは2週間後から

法律上では、退職の意志を伝えてから2週間後に辞めることができます
とはいえ、職場の就業規則で「1ヶ月前」や「3ヶ月前」に伝えるなどと記載がある場合はそちらに従ったほうが円満退職になりやすいです。

ただし、体調不良や職場でのハラスメントなどのやむを得ない理由がある場合は、法律により即日退職が認められています

ハラスメントの場合、医院側が非を認めれば「会社都合の退職」となり、働いて1年未満でも失業保険の受給が可能です。
しかし、認めさせるために証拠を集めたり、話し合いが必要であったりと労力を伴います。
そのため、戦うことはせず、ストレスによる体調不良という理由で退職をする人が多いのが現実です。

どうしても辞めることを伝えられない、辞めさせてもらえないという場合の最終手段として、退職代行を使う方法があります。
退職代行は退職の意思を代わりに伝えてくれるサービスで、本人からの職場への連絡は一切必要なく、確実に辞めることができます。

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引き止めにあう可能性が高い

歯科医院はギリギリの人数でまわしているところが多く、1人でも辞めると周りの負担が大きいです。
後任の歯科衛生士もすぐに見つかりにくいこともあり、多くの歯科衛生士が引き止めにあいます。
仕事ぶりを評価しての引き止めの場合は、院長から今の不満が改善されるような提案をされるかもしれません。
あなたがその提案に納得できれば退職を一旦やめるという選択もアリです。

歯科医院に特に多いのが「次の人が決まるまで退職を待って欲しい」とお願いされるパターンです。
これを受け入れて、1年以上辞められなかった人もいます。

退職の意志が固いなら、その場で退職希望日を伝えましょう。

辞めたい理由を明確にしておく必要がある

なぜ辞めたいのかが明確になっていないと、同じ事を繰り返してしまうおそれがあります。
辞めたい理由を整理して書き出すことで、自分が求めるものが見えてきます。

絶対にゆずれない条件」「できれば欲しい条件」を書き出し、それを軸に転職活動に備えましょう。

良い転職先がすぐに見つかるとは限らない

歯科衛生士の求人自体は多いので、すぐ次が見つかると思いがちですが、自分の辞めたタイミングで条件の合う職場の求人が出ていることは少ないです。
職の空白期間が長くなると、経済的な心配や、歯科衛生士として働くこと自体に不安が生じてしまうことがあります。

転職を考え始めたら、すぐに情報収集を始めることが早期に良い職場と出会うポイント!

初めての転職に不安があれば、歯科衛生士専門の転職エージェントへの登録がおすすめです。
転職エージェントは自分に合った職場を探してくれることはもちろん、見学・面接の調整や条件交渉などもしてくれます。
また、院長やスタッフのリサーチもしてくれるのであらかじめ医院の雰囲気を知ることができ安心です。

転職エージェントは複数ありますが、オススメは、求人数業界最大級のファーストナビ歯科衛生士です。
歯科業界をよく知る専任のエージェントが話を聞いてくれるので、より具体的なアドバイスをもらうことができます。
転職自体を迷っている場合でも、相談することで進むべき方向性が見えてくるかもしれません。

無料で利用できますので、転職したいと考え出したら、まず登録することをおすすめします。

【ファーストナビ歯科衛生士】公式HP

まとめ

まとめノート

1年目の歯科衛生士の悩みとひとくちにいっても、抱えている悩みにより対処法はさまざまです。
以下に辞める判断基準を悩み別にまとめました。

すぐに辞めるべき人

  • イジメやハラスメントを受けている
  • 心身の不調が続いている


転職を検討してもいい人

  • 学べる環境がない
  • 条件や福利厚生に不満がある


辞めない方がいい人

  • その職場に尊敬できる先生や先輩がいる
  • スキルをあげることで解決する悩みを抱えている


歯科医院は院長の方針により、職場の雰囲気や診療方法が様々ですので、あなたに合う医院は必ずあります。
1年目の修行期間を乗り越えて、歯科衛生士の仕事が好きになるまでぜひ続けて欲しいなと思います!

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