「まだ20代なのに毎日ヘトヘト。本当に50代、60代まで続けられるのかな…」
「せっかく国家資格を取っても、若いうちしか働けないなら意味ないんじゃ…」
「どこの歯医者も若い子ばかり。歳をとったら、もう雇ってもらえないのかな…」
ふと将来のキャリアを考えたとき、こんな不安が頭をよぎったことはありませんか?
「歯科衛生士は若いうちだけ」という声を耳にすることもありますが、実際はそんなことはありません。
20年以上現場にいる私の周りにも、働き方を工夫して50代60代で活躍する先輩がたくさんいます。
この記事では、年齢を重ねても長く働き続けられる理由と、実際の現場でどんなふうに働いているのかを解説します。
将来が不安でモヤモヤしている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 歯科衛生士が若いうちだけといわれる理由と実際のデータ
- 年齢を重ねた歯科衛生士が現場でどう働いているか
- 長く働ける職場を見分けるポイント
歯科衛生士が活躍できるのは若いうちだけではない
歯科衛生士として働いている方なら、「歯科衛生士って若い人ばっかりじゃない?」と一度は聞かれたことがあるかもしれません。
実際は、若い人ばかりなんてことはありません。
その理由をデータと現場の実感をもとに解説します。
就業者の約3割が50歳以上というデータ
「歯科衛生士は若い人ばかり」というイメージは、実際の数字とずれています。
厚生労働省の衛生行政報告例を見ると、働いている歯科衛生士のうち50歳以上が28.4%を占めていることがわかります。
これは過去最高の割合です。
3人に1人が50代以上、と言い換えると、印象がだいぶ変わるのではないでしょうか。

参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
人手不足で歯科衛生士が長く必要とされ、働き続けられる環境が広がってきたことが、この伸びにつながっています。
資格に年齢制限も定年もない
そもそも歯科衛生士の資格には、年齢の上限がありません。
国家試験に合格して取得した免許は、一度取れば一生使えます。
定年があるのは資格ではなく、それぞれの歯科医院です。
院長が就業規則で定年を決めている医院もあれば、定年そのものを設けていない医院もあります。
つまり「何歳まで働けるか」は、資格ではなく勤め先しだいで変わります。
資格に年齢の壁はなく、壁があるとすれば医院ごとのルールだけです。
定年のない医院や、定年後も再雇用してくれる医院を選べば、体力と気力が続くかぎり働き続けられます。
経験を重ねるほど「給料」もしっかり上がる
長く働き続けられるといっても、「安定した給料がもらえるか」という部分は気になりますよね。
実は全体のデータを見ると、歯科衛生士は経験を重ねるほど、収入が上がっていく傾向があります。
厚生労働省の調査(※)では、年齢や経験年数に比例して給与が上がっていくことが示されています。
| 年齢層 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 約323万円 |
| 25〜29歳 | 約380万円 |
| 30〜34歳 | 約389万円 |
| 35〜39歳 | 約426万円 |
| 40〜44歳 | 約360万円 |
| 45〜49歳 | 約432万円 |
| 50〜54歳 | 約436万円 |
| 55〜59歳 | 約427万円 |
| 60〜64歳 | 約441万円 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」のデータを基に、月給×12ヶ月+賞与で算出
新卒など20代前半の時期が最も低く、そこから年齢とともに着実にアップしていき、40代後半でピークを迎えます。
ここで注目してほしいのは、50代・60代になっても20代の頃より高い水準を維持しているという点です。
もちろん、歯科医院は個人経営が多いため、すべての医院で無条件に昇給し続けるわけではありません。
けれど、このデータが示しているのは、歯科衛生士として長く現場で培っていくスキルや経験には、それだけ高く評価される価値があるという事実です。
「若くないと価値が下がる」なんてことはなく、むしろ経験が武器になる仕事なのです。
60代の現役歯科衛生士は珍しくない
私の職場には、60代の歯科衛生士がバリバリ働いています。
正直に言うと、40代の私よりずっとシャキシャキ動いていて、こちらが置いていかれそうになるくらいです。
一時期は、私以外のスタッフ全員が50代・60代、という時期もありました。
衛生士あかね60代で元気に働く先輩たちは私にとって希望の光です!
さらに、親しい歯科衛生士のなかには、70代で元気に現場に立っている人もいます。
年齢が上がっても、本人が働きたいと思える職場でなら、ちゃんと活躍の場があるというのが、私が現場で見てきた実感です。
それでも「歯科衛生士は若いうち」というイメージがあるのはなぜ?
データの上では、年齢を重ねた歯科衛生士はたくさんいます。
「でも実際に行った歯科医院は、若いスタッフばかりだけど?」という疑問が残る人もいるかもしれません。
この食い違いには、理由があります。
歯科業界が若いのではなく、若く見えやすい仕組みがある、というのが本当のところです。
理由を2つに分けて見ていきましょう。
若いスタッフの入れ替わりが目立つから
歯科医院は、少人数で回しているところがほとんどです。
スタッフが3〜4人という医院も珍しくなく、1人辞めるだけでも職場の雰囲気や年齢の印象が大きく変わるのが特徴です。
また、歯科医院によっては新卒を積極的に採用するところもあります。
若い人が入ってくる一方で、結婚や出産、転職などで一度離れる人も多く、また新卒を募集するという流れができやすいのです。
入れ替わりが激しいのは、どちらかというと定着しにくい職場の傾向です。
教育の仕組みが整っていて、給与や人間関係が安定している医院では、中堅もベテランも当たり前のように長く働いています。
ここで知っておいてほしいのは、歯科衛生士が辞めていく理由です。
年齢を重ねて働けなくなったから辞めるのではなく、合わない職場だったから早めに辞めるというケースがとても多いのが実情です。
実際、歯科衛生士が辞めるいちばんの理由は、年齢でも体力でもなく、院長との人間関係だというデータもあります。
つまり、歯科衛生士が辞めるのは、年齢の限界とは別の話だということになります。
医院ごとに年齢層が偏っているから
もうひとつの理由は、医院によって働く人の年齢層がはっきり分かれていることです。
歯科医院には、それぞれ院長の好みや方針があります。
若いスタッフを採用して一から育てたい院長もいれば、40代以降の落ち着いた人に来てほしいと考える院長も意外と多いです。
お子さんからお年寄りまで、患者さんへの対応が丁寧で安心できる、という理由で年齢を重ねた人を歓迎する医院もあります。
さらに、入る側にも傾向があります。
若いスタッフが多い医院には若い人が応募しやすく、年齢を重ねた人は自分と年の近いスタッフがいる医院を選びやすいです。
その結果、若い人ばかりの医院と、落ち着いた年齢層の医院に、自然と分かれていくことになります。
近所の数軒を見て「若い人ばかり」と感じたとしても、それが歯科衛生士の全体像とは限らないのです。



そもそも、みんなマスクしてるから、本当の年齢なんてパッと見じゃ分からないですよね!
若いうちだけなんていわせない!ベテラン歯科衛生士の働き方
歯科衛生士は長く働ける職業だとわかっても、いちばん気になるのは「歳をとってからの自分」ではないでしょうか。
体力はもつのか、手元は見えるのか、若い頃と同じように動けるのか。
そこで、実際に年齢を重ねた歯科衛生士が現場でどう働いているのかを、私が見てきた範囲でお伝えします。
結論から言うと、全員が若い頃と同じ働き方をしているわけではなく、自分に合わせて働く環境を変えている人も多いです。
年齢に応じて働き方や役割を変えている
「体力が落ちたら歯科衛生士は続けられない」と考える人もいますが、実際の現場では、辞めるか続けるかの二択ではありません。
年齢に合わせて、医院の中での役割や働き方を変えながら続けている人も多いです。
スタッフ数の多い医院では、歯科医師のアシスタント・メインテナンス・新人指導など、役割を分けているところも珍しくありません。
自分の得意分野を活かしたり、体力的な負担が少ない役割を任せてもらったりと、年齢に合わせて働ける環境もあります。
また、体調に合わせて、勤務時間を減らすのも一つの選択です。
子育てが落ち着いた世代の方は午後勤務ができる方が多く、短時間でもとても重宝されます。



私は、受付担当が辞めたタイミングで受付・レセプト業務にもかかわるようになりました。
歯科衛生士業務もあるものの、座り仕事がメインで身体がラクです。
覚えておきたい点は、体力は必ずしも年齢に比例して落ちるわけではないということです。
若くても立ちっぱなしや長時間がきつい人はいますし、反対に50代60代でも動き回れる歯科衛生士もいます。
日頃から体を動かして、筋力を保っているかどうかの差が大きいというのが、見ていての実感です。
若いうちから少しでも体を動かして体力をつけておくと、働き方の選択肢も広がりそうですね。



軽いウォーキング習慣でも十分です。長く働くには、なにより「健康」が大事!
加齢による目の変化は、自分に合うメガネで補っている
目に関しては、若い人のほうが有利な場面が多いです。
40代を過ぎると加齢によってピントを合わせる力が少しずつ衰え(老眼)、細かい歯石や器具の先端などが見えにくくなることがあります。
老眼は、ミリ単位の処置が求められる歯科衛生士にとって、避けて通れない壁です。
対策として、「手元のピントを合わせる」ための老眼鏡と、「小さいものを拡大して見る(虫眼鏡のような役割)」ための拡大鏡(ルーペ)が活躍します。
歯科専用の拡大鏡には、数万円から数十万円する高価で高倍率なものもありますが、1万円程度の拡大鏡(ハズキルーペなど)で不便なく診療をこなす衛生士もいます。
また、普段は老眼鏡をかけておき、メインテナンスの処置のときだけ上からルーペを装着するなど、場面に合わせた工夫も可能です。
もちろん、老眼鏡やルーペを使ったからといって若い頃と同じ目の状態に戻るわけではなく、慣れるまでは疲労を感じるなどの苦労もあります。
それでも、試行錯誤しながら自分の目に合うものを見つけ、現場で活躍している歯科衛生士は大勢いますよ。
手元の見えにくさを道具で補うのは、歯科以外でもごく普通に行われています。
たとえば製造業の検査や小さな部品の組み立てでは、近用のメガネや拡大ルーペ、拡大レンズ付きのライトを使って、細かい部分を確認しながら作業する人が多くいます。
道具を使えば、年齢を重ねても精密な作業を続けられるということです。
歯科衛生士が年齢を重ねても働ける職場選びのポイント
歯科衛生士が長く働けるかどうかは、年齢よりも職場で決まります。
同じ資格を持っていても、合わない医院で消耗して辞める人もいれば、同じ医院で何十年も働き続ける人もいます。
では、なにを見れば長く働ける医院を見分けられるのでしょうか。
給料や場所だけで決めてしまう前に、確認してほしい点を順番に見ていきます。
人間関係と職場の雰囲気を確認する
長く働けるかどうかを左右する大きな要素が人間関係です。
先にも触れたとおり、歯科衛生士が辞める理由の上位は、給料でも体力でもなく院長やスタッフとの関係でした。
どれだけ条件が良くても、毎日顔を合わせる人との関係がつらいと、働き続けるのは難しいのが現実です。
見学や面接のときに、院長やスタッフの様子をよく観察してみてください。
スタッフ同士の会話の雰囲気や、院長がスタッフにどう接しているかは、短い時間でも意外と伝わってきます。



見学の際は、スタッフに積極的に話しかけてみましょう。
産休や育休が取れるか、社会保険が整っているかといった働く環境の土台も確認しておくと安心です。
こうした土台が整っていない医院は、長く働き続けるうえで後々ひっかかりやすくなります。
スタッフの年齢構成と定着率を見る
もうひとつ見ておきたいのが、今働いているスタッフの年齢層です。
医院によって年齢層は分かれます。
自分と年の近いスタッフがいる医院のほうが、なじみやすく、長く続けやすい傾向があります。
あわせて確認したいのが、スタッフがどのくらい長く勤めているかです。
人がころころ入れ替わっている医院は、何かしら続けにくい理由があるのかもしれません。
年齢層や勤続年数は求人票だけでは分かりにくいので、面接や見学の場で直接聞くのが確実です。
「スタッフのみなさんは何年くらい勤めているんですか」と質問すれば、その医院の定着しやすさが見えてきます。



質問に嫌な顔せず答えてくれるかどうかも、その医院の雰囲気を知る手がかりになります。
求人票だけで判断しない(転職サイトの活用)
ここまで挙げてきた人間関係や定着率は、どれも大事な判断材料です。
ただ、ひとつ問題があります。
こうした内部の情報は、求人票を見ているだけでは分からないのです。
給料や休みの条件が良く見える求人でも、実際に入ってみたら聞いていた話と違った、ということは起こります。
条件の数字だけで決めず、職場の中身まで確認することが、入職後のミスマッチを防ぐ近道です。
求人票やハローワークでは、給料や勤務時間といった表面的な条件は分かります。
でも、院長の人柄やスタッフの年齢層、職場の雰囲気までは実際に会うまでなかなか読み取れません。
そこで頼りになるのが、歯科に特化した転職サイトやエージェントです。
おすすめは以下の2つ。ただし、この2つは仕組みが違います。
| サービス | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ジョブメドレー(転職サイト型) | 自分でサイトを見て探し、応募する | 自分のペースでじっくり探したい人 |
| ファーストナビ(エージェント型) | アドバイザーが代わりに探し、面接の調整もしてくれる | 働きながらで時間がなく、任せたい人 |
ジョブメドレーは、自分でサイトを見て探すタイプの転職サイトです。
院内や働くスタッフの写真を見ながら雰囲気をつかめるので、急がず自分の目で比べながら選びたい人に向いています。
応募はスマホで簡単にできるのも魅力です。
一方のファーストナビは、専任のアドバイザーがつくエージェントです。
希望を伝えれば、条件に合う医院を探してくれて、見学や面接の日程調整までしてくれます。
非公開求人を含めて求人数が多く、院長の人柄やスタッフの様子といった内部の情報も教えてもらえます。
働きながらで自分でリサーチする時間がない人にぴったりです。
どちらも登録は無料で、情報を集めるだけの使い方でもかまいません。
入職を決める前に転職サイトやエージェントを活用し、人間関係や医院の方針まで徹底的にリサーチしておきましょう。
〈ジョブメドレー公式サイト〉
登録無料!歯科衛生士の転職ならジョブメドレー
〈ファーストナビ公式サイト〉
歯科衛生士の求人数で選ぶなら【ファーストナビ歯科衛生士】
歯科衛生士の働き方についてのよくある質問(FAQ)
最後に、歯科衛生士の年齢や働き方について、よく聞かれる質問に答えていきます。
歯科衛生士は60歳を過ぎても働けますか?
資格は一生涯使えるため、60代や70代で現役の歯科衛生士も実際にいます。
定年があるかどうかは医院ごとに違うので、定年のない医院や再雇用のある医院を選べば、長く働き続けられます。
40代・50代から歯科衛生士に復職・転職できますか?
できます。
歯科衛生士は人手不足のため、年齢関係なく歓迎してくれる歯科医院も多くあります。
落ち着いた対応や経験を求める院長もいるので、大切なのは年齢よりもその医院のカラーに合うかどうかです。
歯科衛生士の仕事は体力的にきついですか?
正直なところ、体力を使う仕事ではあります。
ただ、どのくらいきついかは働く職場で差がつく部分です。
一日中立ちっぱなしの医院もあれば、座ってアシスタントにつく医院もあり、そのアシスタントを歯科助手のみが担当する医院もあります。
メンテナンス中心なら座って作業できますが、その代わり首や肩がつらくなる人もいて、負担のかかる部分は人それぞれです。
自分の体力に合わせて環境を選びましょう。
長く働ける歯科医院はどう探せばいいですか?
給料や勤務時間だけでなく、人間関係やスタッフの定着率まで確認するのがポイントです。
こうした内部の情報は求人票では分かりにくいので、歯科専門の転職エージェントを使うのもおすすめです。
気になる医院があれば、応募の前に職場の内部をよくリサーチしておくことが、長く働ける場所を見つける近道です。
年齢を重ねても働きやすいのはどんな職場ですか?
回転の速さより、患者さんとじっくり向き合える職場です。
具体的には、訪問歯科や、メンテナンスに60分かけるような予防型の医院が挙げられます。
一人ひとりと落ち着いて対話する働き方なので、スピードや若さより、経験や丁寧さが評価されるのが特徴です。
反対に、次々と患者さんをさばく回転型の医院は、年齢を重ねると負担を感じやすい場面があります。
予防やコミュニケーションのスキルは、50代60代になっても腰を据えて働ける大きな強みです。
長年の経験と知識を活かして、歯科衛生士養成学校の講師として働く人もいます。
歯科衛生士は何歳になっても活躍できる!
60代まで働けるかどうかは、どんな職場で働くか、自分に合った働き方を選べるかで変わってきます。。
年齢や生活に合わせて働き方や働く時間を変えながら、はつらつと働く大先輩を私はたくさん見てきました。



40代になってみて、あらためて「歯科衛生士は若いうちだけじゃない」と感じています!
先のことを考えると心配にもなりますが今の頑張りが、50代60代の働き方につながっていきます。
目の前の患者さんと向き合った経験も、コツコツ続けた体づくりも、年齢を重ねたあなたを支える力になります。
まずは、今日からできる小さなことから始めてみてください。
- 患者さんとの会話や予防のケアを、いつもより少していねいにやってみる
- 軽い運動やストレッチを、毎日の習慣に取り入れる
- どんな職場が向いているか、求人サイトでリサーチしながら考えてみる
小さくても一歩ずつ進めていけば、経験を重ねた自分に自信を持てるはずです。


コメント